脱老化!若さを保つための生活習慣
老化の重要な要因の一つが酸化ストレス
老化というのは、いくつになっても気になるものです。同窓会で思いのほか年齢が上に見えるような同級生に会って、驚いた経験はありませんか?そこで今回は、老化とその予防についてお伝えします。
身体の老化というと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。物忘れといったような脳の老化を思い浮かべる人もいれば、肌の潤いがなくなったといったような身体的な老化を思い浮かべる人もいるでしょう。
循環器内科の立場から見ると、人間の老化というのは血管の老化です。脳の細胞も心臓の細胞も皮膚の細胞も、血管を通って運ばれてくる酸素や栄養を取り込むことにより生きています。血管が障害を受けて細くなったり、詰まったりすれば十分な酸素や栄養を細胞が受け取れないため、障害を受けます。それが、老化となるわけです。血管の障害を生じる要素はたくさんありますが、その中でも重要なものの一つに、酸化ストレスというものがあります。
酸化ストレスを作る最も有名なものがたばこ
ヒトの細胞の中のミトコンドリアは、生命維持としてエネルギーを作るために常に酸素を消費しています。そして、酸素の消費の過程で活性酸素という細胞を障害する物質が生じます。私たちの体の中には、それを分解する酵素があり、バランスが取られています。しかし、活性酸素が生成されるスピードが分解するスピードを上回ると、活性酸素があふれた状態になります。これを、酸化ストレスが多い状態といい、血管だけではなく細胞も障害する、いわゆる老化を促進する状態となります。最近ではアルツハイマー型認知症との関係も指摘されています。
酸化ストレスを抑えるためには、活性酸素を作らないようにすることと、分解するような物質(抗酸化物質)を積極的に摂ることが重要です。酸化ストレスを作るものとして、もっとも有名なのがたばこです。双子の人でも、たばこを吸う方と吸わない方では明らかに、見た目での老け方が違うというのが有名医学雑誌に掲載されて話題になりました。また、運動不足も酸化ストレスを増やします。逆に、激しすぎる運動も酸化ストレスを増やしますので、適度な有酸素運動が推奨されています。インスタント食品の食べ過ぎのような偏った食事も問題です。
見た目だけでなく内側の若さを保つ努力を
では、逆に酸化ストレスを減らす抗酸化物質には、どのようなものがあるのでしょうか。ビタミンC、ビタミンE、ベータ・カロチン、ビタミンA、グルタチオンが含まれる食品が、酸化ストレスを減少させます。
■ビタミンC・・・レモン・ライム・オレンジ・グレープフルーツなどの柑橘類、柿、キウイフルーツ、トマト、ブロッコリー、イチゴ、ほうれん草
■ビタミンE・・・ひまわり油、コーン油、オリーブ・オイル、キャノーラ油などの油脂類、アーモンド、ラッカセイ、大豆などの豆類、いくら、たらこなどの魚卵類、青魚
■ベータ・カロチン・・・緑黄色野菜、カボチャ、ニンジン、コマツナ、シソ、ホウレンソウ、マンゴー
■ビタミンA・・・ニンジン、ピーマン、ホウレンソウ、コマツナ、カボチャ
老化を予防するには、野菜をたくさん食べて運動するという、昔から言われていることが一番の近道だと思います。患者を診ていると、足が弱れば急激に老け込みます。しっかり野菜を摂って頑張って歩き、見かけだけではなく、内側からもいつまでも若さを保つようにしましょう。
(大西 勝也/内科医)
http://getnews.jp/archives/1332283 (2016年01月04日 ガジェット通信 )