お茶の健康効果の話によく出てくる「カテキン」ってそもそも何?
お茶に含まれる健康成分といえば、「カテキン」という言葉が思い浮かぶ人は多いでしょう。しかし、このカテキンが何なのかについて知っている人は、どれくらいいるでしょうか? ここでは、カテキンがどういったもので、どういう効果を持つものなのかを解説します。
抗酸化作用を持つ成分
カテキンとは、緑茶に含まれている渋み成分で、ポリフェノールの一種であるフラボノイド類に分類されます。そもそもポリフェノールとは、植物の苦味や渋み、色素の成分となっている化合物の総称です。 自然界には5000種以上のポリフェノールが存在しており、種類によって働きや効果は異なります。どのポリフェノールにも共通しているのは、人体に有害な活性酸素の増加を抑える「抗酸化作用」を持つ点です。 良質な緑茶から抽出されたポリフェノールは、ビタミンEの10倍、ビタミンCの80倍の抗酸化作用を持つと言われます。また、お茶の中に含まれるポリフェノールには70種類ほどがあり、その15%ほどを占めるのがカテキンです。
「重合カテキン」とは?
お茶にも緑茶、紅茶、中国茶などのさまざまな種類がありますが、カテキンは緑茶に最も多く含まれています。一方、紅茶やウーロン茶、プーアール茶などには、茶葉の発酵過程で生じた酸化重合物(いわゆる重合カテキン)が含まれます。
重合カテキンは、基本的な効能は通常のカテキンと同じですが、体内に入るとより強く作用します。その主要な効能は、次の2つです。
【ダイエット効果】
カテキンが持つ脂肪や糖分の分解・排出機能に加え、重合カテキンはさらに脂肪やコレステロールの吸収を抑える働きがあります。このため、より高いダイエット効果が期待できます。また、抗菌作用やがん予防、血糖値の上昇を抑えるといった効果もあります。
【老化防止】
人間は呼吸により酸素を体に取り入れていますが、取り入れた酸素が一部活性酸素に変化します。この活性酸素は多くなると身体を酸化(=老化)させます。シワ、しみ、たるみなども活性酸素が引き起こす老化現象のひとつです。重合カテキンの高い抗酸化作用によって老化を防止できます。
重合カテキンのメリット
ほかにも、酸化を抑えることで、加齢臭を抑える、口臭を除去する、便の臭いを減らす、アレルギー症状を出にくくする・二日酔い防止──などなど、さまざまなメリットがあります。 そして、この重合カテキンを最も多く含むのが、ダイエットティーとしてよく知られるプーアール茶なのです。ダイエットだけでなく、こんなにも身体にいい働きがあるお茶なので、ぜひ毎日の習慣として取り入れたいですね。
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(2016年01月24日 執筆:南部 洋子(看護師) 監修:山本 ともよ(管理栄養士) )