アドレナリンの効果や副作用 火事場の馬鹿力で発揮するってホント?
よくいろいろな場面で、「アドレナリンが出た」という言葉が出てくるとは思いますが、実のところアドレナリンというのはどのようなものなのでしょうか? 今回は、アドレナリンの作用や副作用についてご紹介したいと思います。
要チェック項目
□アドレナリンは日本人が初めて結晶化させた
□アドレナリンにより血圧上昇や集中力の増加が期待できる
□ノルアドレナリンもアドレナリンと似た効果がある
アドレナリンって何?
アドレナリンというのは、カテコールアミンの一種であり、人体の副腎から生成されるホルモンとされています。 アドレナリンは、交感神経を活発にさせる効果があり、興奮・緊張・運動により多量に分泌されるものです。簡単なところでは、血圧の上昇、脈拍数の増加、血糖値の増加がみられます。
アドレナリンは、1985年にナポレオン・キブルスキーという人が発見しました。 しかし、実際に結晶化に成功させたのは、日本人である高峰譲吉と上中啓三です。 そのため、アドレナリンという名前は、日本人が名づけた名前なのでした。 アドレナリンという名称は、日本やヨーロッパ地域で名前を呼ばれており、アメリカでは当時自らの発見を主張したエイベルの名付けた「エピネフリン」という迷走を使用しています。 また、生物学術的には世界的にアドレナリンという名称ですが、医薬品においてはエピネフリンと使用を分けられていることがあります。
アドレナリンの作用
アドレナリンが出ることにより、我々の体内では様々な変化が見受けられます。
血圧の上昇
アドレナリンが作用することにより、血管が急激に収縮を始めます。それにより血圧が一時的に上昇します。
心拍数の増加
血圧が上昇することにより、心臓一回の収縮により送り出される血液量が増加します。酸素が多く必要となりますので、心拍数も血圧の上昇に伴って増加いたします。
集中力の上昇
日常生活においてアドレナリンの効果の恩恵を最も受けるのは、集中力の上昇ではないでしょうか。集中することにより、あっという間に時間が過ぎてしまった経験があると思います。 この状態もアドレナリンの影響であり、集中力を向上させている状態です。 また、スポーツを極めていくと一瞬相手の動きがスローに感じたというセリフを聞いたことがあると思います。実はこの状態もアドレナリンにより極限の集中状態が生み出されたものなのです。
アドレナリンの副作用
アドレナリンが出ることによる副作用というのは、特別あるということはありません。ですが、ある意味作用が副作用となることがあるのです。 それは、アドレナリンの過剰供給によるものです。通常のアドレナリンが出る程度であれば、人体に特別影響を与えません。 しかし、アドレナリンが過剰に供給されてしまうと、必要以上に血圧が上昇し、心拍数が増加してしまいます。 一定濃度であれば様々な恩恵をもたらしてくれるものではありますが、多すぎると逆に体を壊してしまいます。 ここまで説明するとあまりアドレナリンを出しすぎると危険なのではないかと不安になってしまいますが、実際のところはそこまで心配する必要はありません。 アドレナリンについて、100年以上研究され続けていますが、アドレナリンにより重篤な症状に陥ったという報告はされていません。
意図的にアドレナリンを出す方法
アドレナリンというのは、興奮状態に陥ったときに多く分泌されます。いわゆる「火事場の馬鹿力」というのがこの状態です。 「火事場の馬鹿力」というのは、いざというときに普段出すことができる力以上の力を出すものです。この力を思い通りに操ることができればいいと思いますよね。 現状、興奮剤などを注射して火事場の馬鹿力のような状態を引き起こすことは可能となっております。ですが、これは現実的な方法ではありませんし、スポーツにおいてはドーピングになってしまいます。 それでは、意味がありません。 手軽にアドレナリンが出ている状態に持っていくためには、「思い込み」という方法があります。極端な話を言えば、「この試合で負けたら人生おしまいだ。」というように、自分を追い込むことです。 あまり現実的でない追い込みは効果がありませんが、「おやつ抜き」などの手軽な追い込みが意外に効果的になるのです。
ノルアドレナリンは何が違う?
アドレナリンと同じような言葉で、ノルアドレナリンという言葉を聞いたことがありますか? こちらも人間の神経に作用する物質です。 アドレナリンと同様に血圧を上昇させたり、血流を増やす効果があります。アドレナリンに近い物質といえます。 一つ違うこととしては、覚醒効果があるということです。やる気や意欲を増幅させる効果があり、抗うつ剤として医薬品として私たちの生活に溶け込んでいるのです。
アドレナリンとうまく付き合おう
今回はアドレナリンについてや、アドレナリンが出ることによる作用、副作用についてご紹介させていただきました。 アドレナリンが出すぎることによる血圧の上昇が考えられますが、今のところ重篤な状態に陥ったという報告はありません。 適度にアドレナリンと付き合っていきましょう。
(監修:Doctors Me 医師)
(2016年11月23日 ガジェット通信掲載)
http://getnews.jp/archives/1559189l
(2016年11月23日 ガジェット通信)