株式会社 シーメイダ

7月10日は「納豆の日」ネバネバの秘密に迫ります!

7月10日は「納豆の日」ネバネバの秘密に迫ります!

ぐるぐる、ぐるぐると掻き回す箸にだんだんと絡みついてくるネバネバがなんとも魅力なのが納豆です。どこまでかき混ぜればいいのかしら? 混ぜれば混ぜるほど美味しくなる?などと聞くとなかなか止められない、そんな楽しさもありますね。
材料は「大豆」だけ。それに「納豆菌」を足すだけでできる納豆の秘密はもちろんこの「納豆菌」にあります。いつもあって当然の「納豆」についてさあ深めましょう。

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● ネバネバと糸を引く「納豆」を初めて食べたのは誰?
● あの「ネバネバ」はどうしてできるの?
● 「納豆パワー」のみなもとはどこから?

ネバネバと糸を引く「納豆」を初めて食べたのは誰?

決して美味しそうな匂いではなく、ネバネバと糸を引く不思議な食べ物「納豆」を初めて食べたのが誰なのか? 古くは飛鳥時代、聖徳太子が馬に食べさせた煮豆の残りを藁に入れて木の枝に引っかけておいたら納豆になった、とか平安時代の終わりに源義家が奥州岩手へ行くとき、馬に載せて運んだ煮豆を詰めた稲藁を開けたら糸を引いたのが美味しかった、などさまざまな説があり、納豆の始まりは謎に包まれたままです。

どの伝説にも共通するのが大豆と稲藁です。いまからおよそ2000年前の弥生時代、稲作が始まっていたころにはすでに大豆も日本に伝えられていたといわれます。そう考えると納豆が偶然の産物として何時できてもおかしくなかったことになります。

江戸時代には納豆売りがあらわれて朝早くから「なっと、なっとう~♪」と売り歩く声が響き、江戸っ子の朝ご飯に欠かせないおかずとなっていきました。とはいえ、煮豆を藁に包んで自然にまかせて作る製法は雑菌による失敗も多かったようです。

今のように清潔で安定した納豆が食べられるようになったきっかけは明治時代です。文明開化による自然科学の発展で活躍した3人の農学博士の研究が「納豆」を大きく変えました。

一人目は沢村真博士。明治38(1905)年、大豆に繁殖する菌の中から「納豆菌」の抽出に成功しました。
二人目は村松舜祐博士。明治45(1912)年、沢村博士が発見した納豆菌のうち質の好い納豆菌を取り出すのに成功しました。このことで稲藁を使わないで納豆を作ることができるようになりました。
三人目は半澤洵博士。大正8(1919)年、藁ではない新しい容器と製造法を開発しました。

20世紀の初めの発見と研究が、古代から不思議の中で工夫しながら作られてきた納豆を、いつでも美味しく食べられる国民のおかずとしたのです。これは納豆の始まりと同じくらい革命的なことだと思いませんか。

あの「ネバネバ」はどうしてできるの?

納豆の作り方を見ていけば、あのネバネバの秘密を知ることができます。
たっぷりの水でもどしやわらかくなるまで蒸し上げた熱々の大豆に、水に溶かした納豆菌をたっぷりとかけ大豆全体に納豆菌が行き渡るようにかきまぜます。
さあ、「大豆」が「納豆」になるまでの「納豆菌」の活躍を見ていきましょう。

◎先ずは発酵です
水分と栄養分を持った大豆はホカホカの温度。そのおかげで眠っていた納豆菌の胞子(芽胞)が目を覚まし発芽します。発芽した胞子はナットウキナーゼという酵素を分泌し、大豆のタンパク質や糖質をアミノ酸に分解しながら成長し栄養細胞となります。この時の副産物として生まれるのがビタミン類K2、B1、B6です。

栄養細胞に成長した納豆菌は細胞分裂、発酵を開始します。この時に納豆特有の香りが生まれるそうです。分裂スピードは1個の菌が一晩で100万倍に増える勢いです。同時に出るのが発酵熱で大豆の温度は50℃ほどに上がるとのこと。かなりの熱さになります。

◎いよいよネバネバの登場です。
増え続けた栄養細胞がひしめき居場所がなくなってくると出始めるのがネバネバ物質です。正体は何かというと、アミノ酸が変化した「ポリ-γ-グルタミン酸」と「レバン」という多糖。このネバネバは増え続ける栄養細胞の食料として備蓄するためと考えられているそうです。さらに栄養細胞同士がつながったり、乾燥やウィルスから守るためのバリアとなって働いているそうです。

◎ついに「納豆」の完成です。
細胞分裂を重ねて密度がピークになった栄養細胞は身体の中に胞子(芽胞)をつくって子孫を残し始めます。このあたりで納豆は完成となり冷やして発酵を止めます。5℃以下になると発酵を止めてすべての栄養細胞は胞子(芽胞)をつくって休眠状態にはいります。

いかがですか? ネバネバの秘密、なかなか奥が深いです。
ネバネバができることで納豆は次の世代への納豆菌をちゃんと残してくれているのがわかります。今冷蔵庫にある納豆から次の納豆を作ることもできるとは、なかなかすごいことではありませんか。
納豆は冷蔵庫へ、温かいところに置いておくと納豆菌が再び働き始めて発酵のし過ぎとなり、味が落ちてしまいます。美味しい納豆は5℃以下の保存が大切ですね。

「納豆パワー」のみなもとはどこから?

納豆の作り方を見てきました。なんとなく健康のために納豆が勧められる理由をもう感じていることでしょう。最後に納豆の力をまとめておきましょう。

◎大豆タンパク質の消化吸収率が高い!
納豆菌は大豆タンパク質を分解しながら増えるため、私たちの体内で行われる消化吸収を手伝ってくれていることになります。納豆菌の助けにより消化吸収できるタンパク質の量が他の大豆製品より納豆は多いということです。

◎整腸作用にダブルの効果!
大豆の豊富な食物繊維が腸内環境を整えます。納豆菌は胃酸に負けることなく腸まで届くため、悪玉菌の活動を抑え善玉菌の活動を助けることでダブルの整腸作用が期待できるそうです。

◎ビタミンの力!?
ビタミンK2はカルシウムの結合を強め骨からカルシウムがとけ出すのを防ぐとされます。また血液を固める力は出血が起こったときに働きます。

ビタミンB6は粘膜を健やかに保つ作用があり、炎症を抑えたり皮膚や髪の毛、爪を作るのにも欠かすことができません。

他にも大豆イソフラボン、リノール酸など身体を整える成分をたくさん持っていることでも「納豆」は知られています。
稲作をはじめた頃からタンパク源となってきた大豆は、「納豆菌」が作る「納豆」の不思議とともに日本人の健康をしっかりと守ってきたことがわかります。
「納豆の日」思いのほか意義ある日だと思いませんか。

参考:
全国納豆協同組合連合会 総監修、宮崎祥子編『納豆の本』岩崎書店

食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
・糸引き納豆
・挽きわり納豆

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